Blog / ジョーティッシュ
2020年12月21日

2020年12月22日 木星と土星のコンジャンクション

ジョーティッシュ(インド占星術)の観点からの土星と木星のコンジャンクション、そしてプルシャルタ(人生の四つの目的)との関連について

正確なコンジャンクションは12月22日0時43分から 山羊座6度19 月宿ウッタラ・アシャダ ナヴァムシャ水瓶座

木星のサイクルは約12年間、土星のサイクルは約29年間で、この二つの惑星は約20年に一度同じ場所にいるように見えます。

木星は拡張、知識、叡知、楽観を、土星は収縮、カルマの応報、規律、現実主義を表します。

このコンジャンクションは毎回異なる星座と度数で起こり、それから20年の期間にどのような社会的なテーマが存在するかを教えてくれます。

対照的な意味を持つこの二つの惑星が一緒の度数で出会うと、さまざまな解釈が考えられます。社会的に重要なシフト、価値観の深い見直しなど、さらにこの正反対なエネルギーに対処できない人にとっては破壊的な傾向を表す可能性もあります。

ヴェーダ哲学にはプルシャルタまたは人生の四つの目的というものが存在します。それはダルマ(道徳的義務と倫理的価値)、アルタ(生命維持と生計手段)、カーマ(喜び、世俗的な楽しみ)そしてモクシャ(自己実現、解脱)です。モクシャに到達するために、アルタとカーマはダルマに則る必要があります。

これらの人生の四つの目的は星座の元素にリンクしています。ダルマは火の星座、アルタは土の星座、カーマは風の星座、モクシャは水の星座に関連しています。

少し調べてみたら、木星と土星のコンジャンクションが起こった星座・元素には次のような傾向がありました。

西暦 14-134 火
西暦 154 土
西暦 173-193 火
西暦 213 土
西暦 233 火
西暦 253-312 土
西暦 332/333 風
西暦 352-372 土
西暦 392-411 風
西暦 412-432 土
西暦 452-610 風
西暦 630-650 水
西暦 670 風
西暦 690-809 水
西暦 829 火
西暦 848 水
西暦 868-888 火
西暦 908 水
西暦 928-988 火
西暦 1007/1008 土
西暦 1027-1047 火
西暦 1067-1226 土
西暦 1246 風
西暦 1265-1286 土
西暦 1306-1405 風
西暦 1425 水
西暦 1425-1464 風
西暦 1484 水
西暦 1504-1524 風
西暦 1544-1702 水
西暦 1723-1742 火
西暦 1762 水
西暦 1782-1901 火
(1918-1920 スペイン風邪のパンデミック)
西暦 1921 土
西暦 1940/41 火
西暦 1961-1980/81 土
西暦 2000 火
(2019-2020 新型コロナウイルスのパンデミック)
西暦 2020-2080 土 (←いまの時期)
西暦 2100 風
西暦 2119-2140 土
西暦 2159 風
西暦 2179 土
西暦 2199-2318 風
西暦 2338 水

約200年から300年ごとに元素が変わり、移行時のコンジャンクション数回を経て、一つの元素が長期間続きます。火・ダルマに関連する火の星座でのコンジャンクションの最新のサイクルは1723年に始まり、そこでアメリカ合衆国の建国、フランス革命、世界大戦などが起こりました。このサイクル最後の火の星座でのコンジャンクションは前回の2000年に牡羊座で起きたもので、これからは土・アルタと風・カーマの時期へと移行していきます。過去約300年で私たちは火・ダルマの教えをどれくらい学んだのでしょうか。私たちの過去の行動が問われる時期でもあります。

興味深いのは1918年から1920年に発生したスペイン風邪のパンデミックが火・ダルマと最初の土・アルタのコンジャンクションの間に起こったことです。今回のパンデミックは最後の火・ダルマのコンジャンクションと土・アルタのコンジャンクションの間に起こっています。

今回のコンジャンクションは土、地球、アルタ、生計手段、栄養、豊かさ、自分たちや他人をどのように持続させるのかということがテーマです。もちろんそれらを考える上で、ダルマの価値観を基本にすることが重要になります。そして強欲や拝金主義など、ダルマ的ではない価値観によって、1961年そして1980-81年に起こった土の星座でのコンジャンクション後には特に大規模に汚染されてきた地球のことを考える必要があります。何故なら個人の生命の維持は地球がきちんと機能することになりたっているからです。

トロピカルシステムではこのコンジャンクションが風の星座、水瓶座で起こることから、西洋占星術のコミュニティは風の時代とか水瓶座の時代の幕開けと呼んでいるようです。サイデリアルシステム(トロピカルシステムと約24度ずれている)を使うジョーティッシュにおけるこのコンジャンクションは四回連続して土の星座で起こります(2020年山羊座、2040年乙女座、2060年牡牛座、2080年山羊座)。今回のコンジャンクションのナヴァムシャは水瓶座です。ですから共通のテーマは存在します。水瓶座の時代が人類全体のためのものなのであれば、それはダルマ的な価値観によるものでなくては維持不可能になるからであり、それを次の世代へと伝えていく必要があるからです。

今回のコンジャンクションでより強いのは守護星座の山羊座にあり、ナヴァムシャでもムラトリコナ星座の水瓶座にある土星の方です。そのため、土星は民主主義的なプロセスを経て国民に権限が与えられること、グラウンディング、規律と多大な努力を求め、実用的で現実的な木星がそれをサポートします。このコンジャンクションでこのようなことを思い描いてみましょう。Om Shanti.