次の新月は2023年10月15日2時55分(日本時間)に乙女座26度56で起こる日食です。この日食は日本では見ることができませんが、北米から南米にかけて広い範囲で見ることができます。ナクシャトラはチトラ、ナヴァムシャは乙女座、ヴァルゴッタマで強力な新月日食です。
日食の時には迷いが生じたり、状況が不安定になるので二週間後の月食までは注意が必要です。そのために新しいことを始める時期ではありません。前回の満月から今回の新月までの2週間はピトリス・パクシャといって私たちの先祖の慰霊を行う時期にあたり、今回の新月はマハラヤ・アマヴァシャといって全ての先祖に感謝を捧げる日です。今回はそれが日食と重なっています。私たちは生まれたからには必ず死ぬのですが、死に恐怖を感じている人はたくさんいます。永遠の魂に繋がるために内省するにはとても適した日となります。
今回の新月に関連したシンボルは真珠です。真珠はとても美しいものですが、貝の中に何らかの異物が入り、貝が身を守るために異物を真珠質で覆うことによって真珠ができます。異物が入る時点で貝は傷つきますが、そのような行程を経て真珠のような美しいものができあがります。人生もさまざまな苦労や問題を解決することによって、私たちの魂は徐々に磨かれていきます。逃げる理由を見つけるのは簡単ですが、いかに勇気を持って魂を成長させていくことができるかが焦点となります。
この新月が終わったら秋のナヴァラトリという祝祭があります。ナヴァラトリは9日間、ドゥルガという激しい女神がマヒシャスラというバッファローの姿をした鬼神と戦い、ダルマを復活させるために勝利をする時期です。魂が成長すれば、私たちは内面にある恐怖や心配、間違ったものの見方などに打ち勝つことができるようになります。そのような観点から「変化」ということを捉えるような時期になります。Om Shanti.